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製 品 技 術
高精度の測定を支える高度な製品技術

高度な測定技術をささえる
           — 知られざる職人の技 「きさげ加工」 —

当社では、電子機器により高度化した超精密加工をおこなっています。しかし、平面研削盤での加工精度は0.003mm程度です。測定機に必要な摺動面(往復運動により摺り合わさって動く平面)精度は±0.001mm。これでは測定精度をだす事ができません。そこで、当社では、摺動面に人の技、「きさげ加工」を行うことで、これらの要因を解決しています。

きさげ加工とは、先端がノミのように平らになった手工具(きさげ)で、超高精度に平面を仕上げる加工方法です。切削面に光明丹という口紅のようなものを塗って、定盤(マスタ)とこすり合わせることで凸の部分にアタリをだし、このアタリをきさげで削って、また光明丹を塗ってアタリを出して削る。この気の遠くなるような作業を繰り返すことにより、完全な平面に仕上げていきます。
実は、きさげ加工で作られた面には、凹凸があります。凸の部分は限りなく平面ですが、凹の部分が0.001mm程度くぼんでいます。きさげ加工このくぼみが油だまりとなり、摺動面の摩擦、摩擦熱による変形を防ぎ、測定機の精度維持を支えているのです。機械加工面は、フラットすぎて油だまりができず、これも機械ではなしえない技の一つです。

そして、出来上った面は、より信頼性の高い製品へと高めるため、0.0002mm/目盛の特殊なマイクロケータ を使用して計測し、さらに万全を期します。0.001mm以上の誤差をなくすという非常に細かい作業は、まさに職人技の見せ所。現代の名工に選ばれた職人が、高度な精密計測を生み出しています。

データ解析をサポート
           — 高精度なデータを如何に処理するか —

測定データが得られてもそれをどう利用するかで、結果は異なってきます。データ処理にはコンピュータが切っても切れない関係になっていますが、それもソフトウエアがなくては、用をなしません。大阪精密では、世界にさきがけ電子創成式歯車測定機を世に出して以来、ソフトウエアの開発も手がけて参りました。多種多様な歯車に対応し、お客様の測定コンセプトに合わせた計測、データ出力に対応可能であり、また、誰にでも簡単、正確、そして、素早く測定を行い、データ解析できます。そして、計測されたデータをネットワークを利用して集中管理できるシステムへと進化させました。より使いやすく、高機能へ。インプットからアウトプットまで大阪精密は、一貫した品質、技術をご提供致します。

精度検査出力線図歯すじ歯形管理図

研究開発      — さらなる高精度測定に向けて —

歯車は、動力の伝達に必要な重要部品として、自動車や飛行機、カメラなどいろいろなものに利用されています。近年製品の高品質化にともない歯車も低振動性、低騒音高精度測定機化など、さらに高精度であることが求められています。高精度な歯車を生産するには、今まで以上の精度で歯車を測定できる機器が必要とされます。

当社は、大学など研究機関、工業会と協力し歯車測定機の研究開発を手がけています。また、歯車の幾何学的形状・寸法の精度試験評価方法の確立や、それを国際標準として提案する事を目的とする研究開発プロジェクトの実施にも協力しています。

さらなる高精度測定、高品質化に向けて地道な努力を行なっています。

高精度測定機